やこうれっしゃ
●著:西村繁男
発売日:1983年03月07日頃/価格:990円/出版社:株式会社 福音館書店/ISBN:9784834009224
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父 / 4歳 / (゜o゜)
夜行列車といえば昭和世代の私が思い浮かべるのはやっぱり上野駅。「津軽海峡、冬景色」の影響は絶大です。ただしこの絵本は青森行きではなく「金沢」行きですが・・・
それはさておき、今や日常であまり聞くこともなくなった「夜行列車」。それってどんな列車?という我が子の疑問にこたえたくて、この絵本を手に取りました。
開いてみてまず驚いたのは、文章がない。なので、イラストを見て、自分で考えたり想像しながら、「これは荷物を運んでいるところだね」「この人は赤ちゃん連れだね」「もう夜だからみんな眠ってるね」などと話すことになります。これが思いがけず話題が広がったりして意外と楽しいです。
それから、驚いたというより感心したのが、イラストの細かさです。乗客、駅員、駅で働く様々な職業の人たちの様子が生き生きと精緻に描かれていて、一人一人に奥行きを感じることができます。
この絵本にはセリフがない。いや、セリフがいらないのだと思いました。
鉄道ファン 2025.01.22 Review
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母 / 2歳 / (^∀^)
1980年発行の月刊「こどものとも」掲載の作品。文字は一切ありません。ただただページいっぱいに懐かしさあふれる絵が広がっています。上野駅の構内の雑踏から始まり、荷捌き中の人夫のかけ声が聞こえてきそうなプラットホーム、弁当や雑誌を積み込んだスタンド型の売店、発車直後の寝台列車、その後ろに見え隠れする上野のネオン。ページをめくるごとに次々と場面が移り変わり、まるで自分自身が夜行列車に乗り込んだかのような錯覚に陥ります。
車内では、荷物を棚にのせる乗客、背中の子どもを下ろして一息つくお母さん、座席に座って早速一杯やり始めるご一行、人気のない通路で互いに見つめ合う男女・・・様々な人間模様が描かれ、本当にどれだけ見ても飽きることがありません。
「上野発の夜行列車」というだけで、私たちはどうしても一定の物語性を感じてしまいます。でも、この絵本はそこにあぐらをかくことなく、名もない人々の一瞬の仕草や表情を描くことで、その人の生活や人生を雄弁に語っている。驚くべき絵本です。
風の子 2023.02.16 Review
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